• shopping cart

BLOG

2020/01/08 14:00



桐塑(桐の粉末に正麩糊を混ぜた粘土の一種)または木やその他の新素材の材料で作られた型に、衣裳の皺や模様の形に筋彫りをいれ、その溝に裂地の端を押し込んで作った人形を木目込み人形と言います。筋彫りに布の端を押し込む動作を「木目込む(決め込む)」ということからその名が付きました。

頭まで含めて全身が桐塑で出来ているものと、衣裳着人形と同じように石膏の頭(かしら)を別に作り、完成した胴体に合わせたものがあります。衣裳着人形と比べると、小ぶりで手のひらサイズのものも多く、台や屏風も小さいので、飾り棚など小さなスペースにもお飾りすることが出来ます。

当店では、「木村一秀」「柿沼東光」「幸一光」などを中心に取り扱っております。衣装の皺の入れ方や、生地の合わせ方、色使いなど、各作家により、その違いは様々。見比べて、お気に入りの作家を見つけることも選び方のポイントのひとつです。

木目込人形はひとつひとつの人形が小さいので、三人官女を加えた五人飾り、さらに五人囃子を加えた十人飾り、随身・仕丁を加えた十五人飾り、とお人形の数が多くなっても、衣裳着人形と比べるとコンパクトにお飾りすることが出来ます。ひとつひとつの部品が小さいので、お子様が小さいうちから触れることができ、一緒にお飾りを楽しめます(誤飲には十分に注意してください)。

お雛様は「おまもり」となるものなので、原則ひとりにつきひとつ。二人目の女の子が生まれたときに、一人目と同じ衣裳着人形だと飾るスペースがない、という方も、小さいサイズの木目込人形なら飾れる、ということで購入される方もいらっしゃいます。

最近では、平安時代より受け継がれる祓の形代が人形となった神雛(立雛の木目込人形)を、自分用にと購入される方も増えてきました。

木目込み人形の製作体験ができる場所や教室もあり、海外の方にも人気のようです。古くから伝わる技法で作られた「江戸木目込人形」は、国の伝統工芸品にも指定されております。実店舗では、伝統工芸品に認定された雛人形も販売しております。

雛人形というと、衣裳着人形が一般的ではありますが、木目込人形も、小さいながらもその作りは繊細で、日本の伝統を受け継ぐ立派な「お雛様」です。「有名な作家の作品がいい」「あんまり小さすぎても…」といった意識に捉われず、様々な作品に目を触れて、生まれたお子様の初節句をお祝いする「雛人形」を選ぶとよいでしょう。